認知症の幸福ワードは「おいしい」「きれい」
そんな想いにかられて、ふと出かけた先日。
去年、父を亡くして、今は母ひとりでホーム暮らし。
93歳。認知症。
80代のころから、その坂はゆるやかにやってきて、
今は、娘の顔、名前もなかなか一致しないのです。
でも、話していれば、思い出し、和んでくるのです。
話す内容は、難しいことはダメ。
ついさっきのことも、すぐ先のことも分からず、
要するに「過去」と「未来」の話でなく
あるのは「今」というときだけ。
よく、心理学の世界で
過去のクヨクヨを手放し、未来の不安を思わず
「今」を大切に、というようなことを言いますが、
母を見ていると、まさに「今」なんです!
それなら「今」を大切にしようと、
ひたすら目の前のことで話をすると、
母の口から出る言葉は、
「これ、おいしい~」
私が持っていった小さなおはぎを
一緒に食べながら、「おいしいね~」と
ひたすら繰り返す。
そして、食堂でもらった煎茶を飲んで、
また「おいしい~」と、繰り返すんです。
あー、訪ねていって良かった!と思える瞬間です。
その次に、母から出る言葉といえば、
私の着ているものを見て、ひたすらほめてくれるのです。
「しゃれたブラウス着てるね~」
「そのバッグもいいね~」
「きれいね~」
そういう母は、ホームではうとうと寝ている時間が
多いにもかかわらず、ネックレスも指輪もつけて
おしゃれしているのです。
デザインも洋裁も得意で、私が子どものころ着ていた服は、
ふだん着から、凝ったスモック刺繍のワンピース、コートまで、
ほとんどが母の手作りでした。
そんな母にとっての「今」というとき
「おいしい」と
「きれい」が、
幸福ワードとして、きちんと捉えられているのですね。
思えば、私の日常だって、あれこれ、あれこれ、複雑に思えても、
「おいしい」と「きれい」さえあれば、
心から幸せでいられるんではないかと・・・
もうすぐ桜も満開ですが、そんな「きれい」を
今年も見せてあげられたらと思います。
ーーーーー
セミナーのお知らせ
☆幸せを呼ぶ!冷蔵庫の整理法 4月10日(月)開催
☆ライフオーガナイズ時間編セミナー 4月18日(火)開催
ライフオーガナイザーの情報は、こちらに集まっています。
↓
にほんブログ村
シンプルライフについては、こちらです。
↓
にほんブログ村
by ecott | 2017-03-25 21:25 | Comments(0)