文芸誌の時代にひと区切り
私もずっと前に少し籍を置き、投稿していた文芸「若草」。
今年90歳と84歳になる静岡県在住のA夫妻が、会を立ち上げてから、ずっと会員の書いたものをまとめ、合評会を行ってきたのです。
メールやブログ、ましてやフェイスブックなどなかったころ、みんなが手書きで原稿を書き、それをお互いが読んで、日を改めて公民館の和室などを借りて、それぞれの文章に対して感想を述べ合うという、とてものんびりとした時代が続きました。
今ではこういった同人誌が、全国でどのくらい残っているのでしょうか。
今なら、ブログで書きたいときに書きたいことを発信できます。
みんなが集まらなくても、コメントを入れることもできるし、時間も空間も束縛されません。
最近はフェイスブックの浸透で、そのスピーディーさが、さらに加速して、
ほんとうに便利になりました。
その場で思ったことを書いたら、瞬時にだれかが「いいね」ボタンを押してくれたりするのですから。
でも、ゆっくり書いて、ゆっくり読んで、ゆっくり話し合ったという文芸誌ならではの
昭和のペースが段々忘れられていくとしたら、それも寂しいことです。
ゆったりとして、丁寧で・・・そこだけの絶対的な良さが存在していたんですよね。
ずっと編集を続けてきたA夫妻の労苦を思うと、いつかは終わるときが来たとしても、この区切りには、やはりとても感慨深いものがあります。
心から「お疲れさまでした」と言いたいです。
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by ecott | 2012-07-04 12:49 | Comments(0)